コントに命をかける、内村光良さんを応援する非公式ファンサイト

何かと多彩に才能を発揮する芸能人の中で、一際自身の領域を乱すこと無く安定した人気を獲得している『内村光良』という芸人。このサイトは彼の魅力を独自考察して、これまで担当してきた映画作品、並びによく知られるエピソードに加えて個人的に忘れられないコントキャラに対する思いを語っていく。

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ボクたちの交換日記を見る

二作目の監督作品として

出だしから飛ばしていくが、個人的に芸能人が何かと映画監督やら脚本家、小説家といった分野に進出してデビューする姿を見せられるのは、正直見ていて不愉快に事欠かない。嫉妬と取られるかも知れませんが、そういう部分がないとわけではない。ただそうして進出した割には熱心に取り組む様子もなく、1つ批判や誹謗中傷を受けたり、もしくは世間からの評価に溺れて簡単に自惚れて横柄な態度へと変化する、こんなところが出てくれば否が応でも嫌いになってしまうのではないかと、そう感じさせられる。悪いとは言わない、言わないがそうした分野にこれからも取り組んでいく姿勢を示さなければ、ただの話題作りと思われてしまうだけだ。

そういう意味では芸人の作品に対する思いの強さにはどことなく感銘を受ける部分がある、ただ一部を除いてですが。その中でも個人的に好いているのがお笑い芸人としてもそうですが、映画監督としても時折活動をしている『内村光良』さんの存在は、いつまでも色褪せない存在のように感じている。筆者は彼に対して芸人としてみているため、映画監督という側面を持つと言われると正直抵抗感を示す時もあります。それは決して嫌悪というものではなく、内村光良という芸人の才能こそを考えれば演劇の世界に飛び込むのではなく、お笑いという仕組まれた空間での密接した笑いを生み出すエンターテイナーとしての実力を発揮している方が印象が大きいからです。

ただ内村光良という監督がどういう作品を作ったのかも気になるといえば気になるので、少し見ていた。彼が監督として担当した『ボクたちの交換日記』という作品を視聴した時、最初こそ違和感があるようにも思えましたが、時折感じさせる映像の中の雰囲気が確かに内村光良という監督として、そして芸人としての気迫に満ちたエネルギッシュな笑いに対しての情熱が感じられた作品だったと、総印象を持っています。

作品概要

そんなボクたちの交換日記という作品についてですが、こちらは原作である『芸人交換日記 ~イエローハーツの物語~』という小説を元にして制作された作品となっています。ちょっと読む時間がなかったのであれではありますが、映画と原作小説が必ずしも酷似しているとは限らない。むしろ映像化するにあたっては原作者がこれといった注文をしなければ監督や脚本家により、一工夫された世界観が構築されるものだからだ。

では内村光良という監督はこちらの作品をどのように創造・構築していったのかを見ていこう。まずは簡単にこの作品のあらすじから見てみる。

あらすじについて

お笑いコンビ『房総スイマーズ』は、結成してから12年が経過するコンビだったが、これまで目立った活動を仕切れていない売れない芸人の1つだった。日々の努力が伴わず、一向に売れる気配もないことから、コンビ同士の仲も何処か気まずいものになってしまっていた。高校卒業後、真っ先にお笑いの世界へ飛び出していった田中と甲本、2人も気づけば30手前になるまでになっていた。このまま売れない芸人を続けていくのか、将来への不安を抱えたままで今の生活を続けていくことは現実的に不可能、2人共内心ではその事実に気づきながらもコンビの将来をまともに話しあおうとはしなかった。

ですが逃げているだけでは何も解決しないのもわかっていたため、相方以前に友人としての関係も均衡が保てなくなっていた中で2人はあることを始めた。それはこれまで言いたくても言えなかったことを言葉に出来ない自分たちだからこそ、文筆で交わそうと交換日記を始めることになる。最初こそ、どうしてこんなことをしているんだろうと思う2人でしたが、綴られる相手の本音と思いが真剣なまでに一つ一つの単語に込められており、これまでどことなくあったわだかまりという氷塊が溶けていくような気分だった。

そして2人がたどり着いた答えは、もう一度真剣にお笑いを目指していこう、そして夢を叶えるんだと互いに互いを信頼する心を取り戻していく。そして待ちに待ったお笑いコンテスト当日、その日に全身全霊をかけた2人は望んでいきますが、ある失敗を機にコンビ間には修復し切れないほどの亀裂が生じてしまうのです。2人の今後はどうなるのか、一体どんな結末を迎えることになるのか。

注目すべきところは

売れないコンビ芸人が一躍人気を獲得していくため、これまで募り募っていた不満をぶつけるために交換日記を始めるというのがテーマとなっている。シュールな展開ですが、そうしたことも込めてこの作品で一番注目したいのは、演技派俳優として知られている主演の『伊藤淳史』さんと『小出恵介』さんの2人が、監督である内村さんが考えたコントを劇中で演じているという点でしょう。劇中では2人は芸人を演じているので当然といえば当然ですが、コントとなると全く領域は異なります。何せ最初から笑いを取りに行くというのが前提となっているため、一挙手一投足あらゆる方向に笑いの時限爆弾が仕掛けられているからだ。時に定番で、時に予想外に、時に意表をついて、といったように緩急付けることになるコントを俳優がするのはかなり勇気がいることだ。

実際、コントをすることを肌で感じるために本番のお笑いステージにも挙がったというお二人でしたが、内容な語るに及ばずといった感じだったようです。何せ、お客さんたちは最初こそ歓喜の声を上げて迎えてくれましたが、コントを始めた瞬間眼の色が豹変したのです。まるで狐に睨まれた兎のように、俳優である2人は何とかコントをしていきましたが、やはり本場の芸人には勝てないと熟実感されたそうです。

分かる気もしなくない、コントをしに来たというならやはり面白いか否かを判断しなければ観客としても失格だからだ。ただあまりシビア過ぎるのもどうなんだろうと思ったが、それがお笑いの舞台だからこその空気と言ってしまえば納得するしかないでしょう。

監督として、芸人として

そんな内村さんは劇中で主演の2人が演じるコントには自らが直接指導に入り、コントのいろはを俳優たちに叩き込んでいきます。将来本当に使うかどうかはともかくとしても、お笑いに対して真摯な内村さんだからこそ、言葉の1つずつに彼が笑いというものに対してどのような信念を持っていて、それを表現するための技術1つ1つが染み渡っていくように作品から感じられる。

監督デビューしたとある芸人の作品を見た時、正直不快という感情はこみ上げてきたものだ。何せ、その作品からは自分は凄いというものが溢れでているかのような作風で、まるで大物監督になったかのような質を見せられた時は、見ていて居たたまれない気持ちに苛まれた。そこに芸人としての持ち込みがあればまた違っていたのかもしれないが、その作品にそんなことを期待するほど筆者はそこまで情に深くはない。

そういう意味では監督としてもそうですが、自身が芸人であることを誇りにしている内村さんが織り成す劇中の笑いは妙にシリアスであり、まるで演じている主演2人に内村光良という芸人が憑依したかのような情熱が確かにあった。そういう意味でも、内村光良という人物がどれほど凄いのかを思い知らされる瞬間でもある。

監督である以前に

内村光良さんの映画監督として、2つ目の作品である『ボクたちの交換日記』から感じられたのは、彼が監督としてもそうだが、笑いというものに対して紳士といえるほどに実直に取り組んでいるのが見て取れる。ただ通常のコントとは違って、映画作品で仕組まれたコントを見るというのも中々見ていて新鮮なものだ。もちろん実際に見たほうが楽しいのは間違いない、ですが芸人自らがお笑い部分に厳しくもこうしてほしいという意思に応える俳優との信頼関係が成り立っている、作品を見ていて監督を信じている俳優陣と、俳優陣を信頼している監督という目に見えない絆が感じられた作品だと言えます。